社葬は、危機管理という企業としてのマネージメントから常に発想すべきである最重要課題といえます。トップの死という不幸を乗り越え、新たな体制を万全にスタートさせるためには、社葬は必ず成功させなければならない儀式です。
社葬を行うにあたっては、しなければならない手続きや用件・課題が多々あります。
社葬の執行は総務部(長)の職務です。
慶弔の弔の行事として、とりわけ社葬は周到に万全な準備と体制を敷いて、滞りなく運営をしていかなければなりません。
事前対策
トップの意向の確認
現在は、葬儀においても本人意向の演出がなされる時代です。個人でさえ自分の死後の葬儀意向を明確に伝える昨今、まして社会的な存在たる企業としては、そのトップの意志を反映させようとするのは当然であり、事前の相談をしておくべき課題です。
具体的には、生前のトップの意向、そして死後であっても家族・親族・友人などから、生前のトップの葬儀に対する見解を把握しておき、トップの意向の趣旨・方針を共同理解して、「我社の社葬」として明文化するということが必要となります。
連絡網の整備
社葬には、社内・社外を問わず、各方面から様々な会葬者が参列します。
そのため、必要な連絡先を調べあげて区分しておき、それぞれの区分の各担当者を事前に決めておくことが必要となります。下記は連絡先の区分の一例です。
- 社内・グループ関連企業
- 引先
- 株主
- 所属団体
- 友人代表
社葬規程の作成
実際に不測の事態が起こってしまう前に、社葬の対象者に応じた範囲・規模、企業の費用負担割合などを基準化した「社葬規程」を作成しておく必要があります。社葬を行う範囲や基準については、特に依拠すべき法律が定められていません。しかし、企業経費として行うものですから、税法上の制約が存在します。
この社葬規程に基づいて取締役会を開催し、社葬の決定を行います。
訃報から社葬までのプロセス
取締役会の開催
訃報後、社葬の決定を行うため、社葬規程に基づいて取締役会を開催します。
社葬決定の議事録は、社葬を行うに際して必須となります。議事録がないと経費としての領収書が揃っていても、税法上、社葬費用として認められないケースがでてきます。
また、取締役会では、葬儀委員(長)の決定、葬儀実行委員長と社葬費用の範囲、運営方式の基本決定がなされます。
通常、葬儀委員長は、相談役・会長・社長以外の社員から選ばれますが、社員の葬儀の場合は社長が選ばれます。
遺族との打ち合わせ
社葬の決定後、ご遺族を訪問して打ち合わせを行います。
具体的には、社葬の執行について、葬儀様式・葬儀日時について、ご遺族側の参列人数について、葬儀費用の負担の仕方などについて相談します。
密葬など個人的な葬儀に関しても、遺族側の意向を尊重して出来る限りのお手伝いをします。
葬儀実行委員会の設置
総務部長が社葬の運営を実際に指揮を執る葬儀実行委員長となります。
葬儀実行委員長は、葬儀執行課程における役割担当者である葬儀実行委員を選び、葬儀実行委員会を設置します。
社内・社外への通知
通知状の例
会社関係者の訃報は、社内通達文書や社内掲示にして全社員に通知します。
社外へ通知は、通知状による連絡が原則です。
社葬の2週間前までには、社外宛の通知状は発送しておきます。
葬儀社の指定
社葬を成功させることができるか否かは、運営施行を提携・委託する葬儀社に依るところが大です。そのため、過去の実績と充分なノウハウを持った葬儀社を選定しなければなりません。
その際、企業として大事なことは、社葬の趣旨・目的を再確認し、明確に施主としての意向を葬儀社に伝える必要があります。
葬儀社は葬儀実行委員会の外部スタッフとして位置することとなり、実行委員会が葬儀社(社葬担当者)の窓口となります。葬儀社には、社葬の企画から運営の全般にわたって、全面的に協力を依頼することになります。
式・斎場・僧侶・神官などの選定
会葬者数を勘案し、それに見合った式・斎場を選定します。僧侶など司会者の手配や選定についても、葬儀社との協議のもと、葬儀社のネットワークによって依頼します。
新聞広告の掲載
社葬の新聞死亡広告は、社葬の2〜3日前に掲載するのが妥当です。しかし、直前の申し込みでは、スペースが確保できないことも多く、早めに広告代理店に申し込むことが必要となります。